家族と相続と遺留分

ブログ

https://wp.me/p4HZ5p-5l (英語)

司法書士という仕事をしていると、人が亡くなった後、所有不動産の処分について相続人の方々と話す機会が多くあります。

司法書士は基本的には紛争性がない法的な手続きを主な業務としており、法的紛争の解決・交渉を主な業務としている弁護士とは違う視点を持っていると思うのです。

ところで、遺留分とは亡くなった人の兄弟姉妹以外の相続人には、相続財産の一定割合を取得させるという権利を認めたものです。

その一定割合として、親だけが相続人であれば、財産の3分の1、子どもも含まれている場合には、財産の2分の1となります。

一定割合と言葉で言うのは簡単ですが、普通は何がどこまで財産か亡くなった時点ではよく分からないものです。財産が分かったとしても、遺産をもらいすぎている人に対して、遺留分があることを伝えたところで、何ら解決になりません。裁判をすればその権利に応じた金額が100%認められるとは限られません。

核家族化が進んだ現代では、成人になれば親子が別の場所で暮らすことは一般的で、それぞれの生活があれば会える機会は多くはありません。

しかし、相続は必ず発生します。できるだけ機会を見つけて連絡を密にし、たまには顔を見せ、親子間の関係をよくしておくことは実は争いを避ける一番良い方法だと思うのです。

権利とは、いつも義務と背中合わせのものだと思います。親孝行が義務とは思いませんが、子としての責任は存在していると考えます。

司法書士 堀明子

関連記事一覧