事業承継

事業承継の必要性

日本の中小企業では、近年、経営者の高齢化が進行する一方で、次世代への事業の引継ぎについてはまだ取り組みが進んでいないのが実情です。

2012年度中小企業の事業承継に関する調査(経済産業省)によれば、自身が経営者を引退した後の事業継続については、「事業を継続させたい」(69・2%)、「まだ決めていない」(24・4%)、「事業をやめたい」(6・4%)となっています。また、事業を継続させたい理由(複数回答)としては「従業員の生活を守るため」(81・1%)、「取引先への供給責任を果たすため」(45・1%)、「親族・後継者のため」(40・7%)となっています。さらに、後継者の決定状況については、「決まっていない」(62・1%)、「決まっている」(37・9%)となっています。

また、2013年に帝国データバンクが実施した事業承継に関する企業の意識調査によれば、事業承継を「最優先の経営問題」と捉えている企業は23・3%。「経営問題のひとつ」(63・0%)と合わせると、企業の86・3%が事業承継を経営問題として捉えている一方で、事業承継を進めるための計画については、「計画はない」(30%)、「計画はあるが、まだ進めていない」(32%)の順となり、約6割超の企業が事業承継への取り組みを行っていないことが明らかです。

中小企業にとって、後継者不在による事業承継問題は深刻化しやすく、後継者がいないために廃業する会社は年間約7万社、これにより実に約30万人の雇用が失われていると言われており、その中には承継が可能な事業も少なからず含まれているものと考えられますので、事業承継問題は重要な取り組むべき課題なのです。

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事業承継の方法

事業承継の方法には、以下の3つの方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。

メリット  デメリット
 親族の承継
1.心情的に受け入れやすい。
2.相続手続きを利用して財産や株式を後継者に移転できるため、贈与や売買よりも税制上のメリットがある場合が多い。
1.心情に負けて、後継者の経営者としての資質を見誤る場合がある。
2.兄弟間で対立が生じやすい。
3.子どもが継ぎたがらない場合が多い。
 従業員の承継
1.後継者候補の数が増えるため、選択の幅が広がる。
2.株式の所有と経営の一体化を図りやすい。
3.事業をよく知っているので引き継ぎ易い。
1.従業員の資質と、経営者の資質が異なる場合がある。
2.後継者候補が承継する会社の株式を買い取る資力を持たない場合がある。
3.現在の社長の個人保証が残ってしまう場合がある。
 第三者の承継
(M&A)
1.同業他社からの採用や異業種からのヘッドハンティングなど、より広範囲から承継会社を選択できる。
2.会社の売却で多額の現金を得られる可能性がある。
1.希望に合う相手を見つけるのが難しい。
2.仲介会社への報酬負担が必要となる。

事業承継の手法

事業承継をM&Aと呼ぶことも多く、M&Aとは、Mergers&Acquisitionsの略で直訳すると合併と買収のことを言います。
M&Aの手法として、以下の6点が検討されます。
1.合併
2.会社分割
3.株式譲渡
4.事業譲渡
5.新株引受
6.株式移転

事業への尊敬と当事者のニーズの理解から事業承継に必要な手続きまで 親身になって、案件を承ります。