イギリスでソリシターになるための通常の道のり
司法書士からイギリスのロースクールに行き、英国弁護士(ソリシター)になりたいなどという人は非常にまれなようで、その道のりは険しく長いようです。。
イギリスで弁護士になろうとする場合、通常は
大学でLLBという資格のある法学士の学位を取り(普通は一般教養も含めて、3年はかかるようです。)、
Legal Practice Course(LPC)というコース(専業で約1年)に進み、
雇用契約をどこかのLaw Firmと締結(2年間)し、
Professinal Skills Course(PSC)を取り、
やっとソリシターになれます。
なったからそれで事務所を開業できるわけでなく、やっとスタート地点に立つ訳です。
日本のような資格テストがない代わりに、とにかく経験を積む事が重要視されるお国柄です。
若い人はみんなボランティア活動に勤しみます。
これも経験を積む事の一つで、日本でいう社会人新人研修のようなものです。
「イギリスではボランティア活動が盛んなんて、なんて美しい精神を持った人たちなのかしら。」などという美学ではなく、若い人たちにとっては上を目指すためのステップアップなのです。
もちろん、美しい精神でボランティアをやっている人たちもいるので、その点はご了承ください。
ただ、ボランティアという経験がきちんと評価されるシステムである事も事実です。
とにかく、今回私のように「自分の事務所を3年間運営している経験があります。法学位がないし、外人だけど。」という人は本当に困ったちゃんで、それを判定するこちらの弁護士団体(The Solicitor Regulation Authority)も「どうしたものやら。」という雰囲気。
自分を褒めまくるエッセイを出しましたが、証拠を見せてくれということで、第三者の紹介状を要求されました。
お世話になっていた人たちに無理を言って、紹介状を書いていただきました。
自分が迷惑ばかりをかけていたのに、快く引き受けていただき、嬉しくて涙が出そうでした。
たとえ弁護士団体(The Solicitor Regulation Authority)が私の経験を十分と判定せず、「No」と言っても、それはそれで甘んじて受け入れ、違う道を探そうと思っています。
司法書士事務所を運営していく重い責任もありましたが、本当にいい人生の先輩たちに出会うことができたことを、改めて感謝している今日この頃です。