10月22日
2週間ほど前にいつもマーケットでKennyにフルーツをくれていたBahaddurさんが留置されてしまいました。
最初のきっかけはBahaddurさんが行ったマーケットの近くの公衆トイレでDrugか何かの捜査に来ていた警官に職務質問されたのが原因。
その後、不法滞在である事が判明し、留置場へ。
逮捕されたのを聞き、前の職場のソリシター(弁護士)に相談したのですが、その時はプライベートでの仕事の受任になると聞き、プライベートの受任は11月4日以降じゃないと引き受けられないと言われたので、それまで待つ予定でした。
そしたら、先週の金曜日にBahaddurさんは水曜日に国外退去になるらしいと聞き、急いで別のソリシターを探してお願いをしたのですが、Bahaddurさんを救うためには時間が足りませんでした。
もちろんベストを尽くしたのですが、すぐに別の弁護士を探していれば間に合ったかもしれないので、とても申し訳ない気持ちでいっぱいです。
Bahaddurさんはアフガニスタン出身。
どんな思いでイギリスに逃れてきたか、どんな思いで日々の生活を過ごしていたのだろうと思うと、心が痛くなります。
最後のアドバイスは何の書類にも署名しないことと、強制送還になれば命の危険があることを強調するだったのですが、すでに強制送還の手続きを止めるには役に立ちませんでした。
BahaddurさんがいつもKennyを見ると、果物をくれていた姿を思い出し、精神的にとてもツライです。
日本にいた頃は不法就労、強制退去などということとは無縁で、本当に幸せな人だったと思います。
イギリスはたくさんの移民を受け入れていて、ロンドンなどは特に多くの外国人が住んでいます。
その中には多くの不法労働者もいるでしょう。
不法労働するなんて自業自得と思われるかもしれませんが、人にはその人の歴史があり、事情があるのだと思い知らされます。
私自身「○○がツライ。」などと思うこともありますが、私の人生などなんてお気楽な人生なのかと反省させられます。
日々を誠実に過ごし、自分とかかわりを持つ事ができた人には感謝して、良い関係を気づいていたいと思います。
KennyはもちろんBahaddurさんの事は覚えていないけど、まだ何もわからず、にこにこしている顔を見ると、抱きしめて命の温かさを実感せずにはいられなくなります。
Kennyの人生がどんなものになるか全く分かりませんが、人の痛みが分かる子になってほしいです。